8月10日_実験的に

組織文化を研究している私としては、「変化し、挑戦し続ける気概」というのが、現在のキーワードとしてあります。現在や今までのやり方で安心し、そのやり方のうえであぐらをかいていると、いつしか周囲の変化に対応できなくなっていってしまいます。組織文化は生ものですから、挑戦を拒み、いつも同じやり方でやっていると定式化や固定化といった状態に陥ってしまいます。校長も含め、その組織の成員としては、これまでのやり方が一番居心地がよく、無意識的に「変化をさせたくない」と考えてしまい、自分たちとは違う価値観や考え方をもつ者とは仲たがいを起こしてしまう傾向があります。しかし、組織として「変化し、挑戦し続ける気概」を失うと、組織文化の硬直化を招き、いつしかその組織は崩壊していきます。この論は何も私の持論ではなく、Schein(1990,1995,1996,2010)をはじめとする膨大な企業文化の研究で立証されています。この論は、いきなり大幅に何かを変化させるということではなく、「たまには少し違ったことをやってみる」とか「実験的に新しいことを試してみる」ということでよいのです。本日の草ラグビーでは、飯島コーチが来ていたので、ちょうどよい機会だと考え、実験的に飯島コーチにタッチフットの合間に何か新しいトレーニングをやってくれないかとお願いをしました。飯島コーチが行ってくれたのはキックダッシュというトレーニングです。このトレーニング自体はメジャーなトレーニングですが、我がチームではやったことがありませんでした。キックのボールをキャッチすることやパスに対してトップスピードで走りこむ、パスをしたらフォローにつくといったスキルを培うトレーニングです。このキックダッシュは、私では草ラグビーで行おうと思わないトレーニングでした。やってみて、やはり実験的に新しいことを試すと言うことは重要だと感じました。子どもたちにとっては珍しいトレーニングでしたし、初めて行ってみると普段のトレーニングでは養えないことが見えてきます。改めて、一人の頭脳ではダメで、複数の人間の知恵を集めて取り組むという”集団的知性”の重要さを感じました。キックダッシュ後、しばらくタッチフットを行い、その後は10分弱、私が考えてきたグリットパスのトレーニングをしました。全体として、タッチフットを1時間半行う中で、合間に少しいつもと違ったトレーニングを入れ、充実した草ラグビーになりました。突然、新しいトレーニングを指導してくれた飯島コーチに本当に感謝しました。実験的に何か新しいことを試すことのよさも感じました。いよいよ、次回は夏休み最後の草ラグビー(草タグラグビー)です。

2018年08月10日